千住葱を知る– category –
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千住葱を知る
白い葱のはじまり
江戸東京野菜協会の会長大竹先生にお聞しました。「昔々、葱と言えば関西のもの、青い葉っぱの部分を食べる野菜でした。関東で葱が食べられるようになったのは、江戸に幕府が開かれたころ。大阪の摂津から葱農家の方が江戸の砂村という場所に移り住み、大... -
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葱切り、免許皆伝
料理書には載っていないかもしれません。江戸の蕎麦屋では、葱を丸太のように束ねて、腋に抱え、包丁で削ぐように刻んでいきます。葱の汁がしみださないように切れ味鋭く、透き通るように薄く切るには、修行がいります。江戸の人たちは、薬味の葱を見れば... -
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6 千住葱は、根気と技。
家庭菜園をやられている方なら葱の栽培が難しいのはご存知でしょう。連作がきかない。夏の暑さが苦手。強い台風が来たら倒れてしまう。その中でも江戸の伝統野菜の種から育てる江戸千住葱は、熟練農家の方でさえも手を焼きます。 品種改良されていないので... -
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5 青いところも食べていいの?
葱善では、江戸千住葱や葱善千住葱の青い葉っぱの部分を長めに残して出荷します。青々と元気な葉っぱを見れば下の白い部分にたっぷりと栄養がつまっているのは一目瞭然。それは葱屋の心意気でもありますが、土壌づくりにこだわり丹精込めて育ててくれた契... -
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4 畑のダイヤ
霜が降りて千住葱の糖度がぐんと増すころ、透明に輝く小さな粒が葱の葉っぱに付きはじめます。指でとって舐めてみると、蜜のようにトロっと甘い。葱の中から甘み成分があふれだしているのです。 冬の澄んだ空気の中、朝の日差しを浴びて葱畑がキラキラと輝... -
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3 お殿様が召し上がった江戸の味。
お殿様の屋敷近く、麻布の地に1789年(寛政元年)にお店を構えたそば屋「更科堀井」のご当主にお話を伺いました。葱善が扱う千住葱の存在を知ったとき、江戸の味を蘇らせる貴重なピースがはまったと感じたそうです。 更科堀井では、そば打ち、そばつゆ、そし... -
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2 牛鍋はグツグツ煮るもの。
千住葱は、文明開花の名脇役です。牛鍋に入れる“ざく”としてグツグツ煮込まれたのです。現代のすき焼きは、柔らかい牛肉にサッと火を通して食べるのが一般的ですが、当時の牛鍋は硬い肉であったと福沢諭吉は『福翁自伝』に記しています。 また森鴎外の短編... -
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1 千住は、江戸の大市場。
家康は江戸に入国すると千住に大橋を架けました。千住は、街道の玄関口とし武蔵・上総・下総から米、雑穀、野菜が届けられ、幕府御用達の大市場が生まれたのです。 将軍に届ける御用札が立った荷は、大名行列も道を譲ったと言います。品物には葱もあったの...
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